冬になると皮膚が乾燥して、かゆみや湿疹など皮膚のトラブルを抱える人が多くなります。気温が低くなると発汗が減り、角層を通じて出てくる水分も少なくなります。そのため、皮膚の乾燥を招き、湿度の低下も皮膚の乾燥の原因になりま
す。大気の乾燥と暖房機器などによる室内の乾燥も、皮膚からの水分の蒸発を加速させます。
皮膚の一番外側は皮脂膜(皮膚の水分蒸発を防ぎ、細菌や刺激物質などが侵入するのを阻止する)、その下は角質細胞間脂質(水分の過剰な蒸発を防ぐ)。また、角質細胞の中の天然保湿因子は、細胞内に水分をためる役割を担っています。
皮膚が乾燥すると、保水の働きが低下し、皮脂膜や角層の乱れから刺激を受けやすくなり、かゆみや赤いブツブツ(丘疹[きゅうしん])が出てきたりします。かくと炎症が強まり、痛みが現れることもあり、さらに乾燥状態が悪化すると、かゆみと炎症が生じる皮脂欠乏性湿疹や、アトピー性皮膚炎などが発症・悪化することもあります。
皮膚の乾燥を防ぐには、「皮膚を傷つけないこと」「保湿を心がけること」が大事で、具体的には次の通りです。
「熱いお風呂に入らない」 42℃より低い湯につかる。
「体をゴシゴシ洗わない」 せっけんをよく泡立て手で優しく洗う。
「部屋の湿度を保つ」 湿度50%前後、温度18~23℃。
「適度な運動をする」 血行をよくし、汗をかく。
「保湿剤を塗る」・・・ といったことがポイントです。
湿度を保つには湯気を立てたり加湿器も有効です。
(NHK きょうの健康より)